介護の仕事でやりがいを感じた「ありがとう」のことば
介護の仕事は、ハードな面がニュースに取り上げられがちです。
でも実際は仕事にやりがいを感じ、疲れたと言いながら熱く働いている人が多くいます。
私もその中の1人です。
多くのありがとうと触れ合う仕事
東京都高齢者福祉施設協議会「職員のやり甲斐アンケート報告書」をみると「この仕事をしていてよかったと思うことはありますか」という質問に96%の人が、「はい」と答えています。
一部抜粋して紹介します。
- 自分が考えたケア、関わりが良い結果につながって利⽤者さまから「ありがとう」といわれとき
- 「ありがとう」や「あなたは良いことあるわよ」などを笑顔でいわれたとき
- 「ありがとう」にふれる機会が、他の職種より多いと思う
- 利⽤者さまやご利⽤者さまの家族に「ありがとう」といってもらえた時やりがいを感じる
介護は人と接する仕事です。
私自身、何度も理想と現実のギャップに悩んだときがありました。
でも利⽤者さまやご家族さまからの、ありがとうと笑顔に触れたとき、「介護の仕事が好きだな」とあらためて感じ、やりがいにつながりました。
利用者さまだけではなく、ご家族さまも守る
私の訪問先には、近くに住んでいても、仕事や家庭の事情で、介護に関われない家族が多くいました。
介護をする家族にもぞれぞれの生活があり、訪問することが難しいのです。
ここからは実際に私が体験し、ご家族様から感謝された「オレオレ詐欺」について話します。
私が訪問していた利用者さまで未遂が5名、被害者は1名いました。
警察庁が2018年8月から11月にかけてオレオレ詐欺被害者を対象に行なったアンケート結果をみると、犯人グループが最初に接触してきた手段は97.5%が固定電話で、携帯電話から始まったのはわずか2.5%でした。
オレオレ詐欺に狙われる!怖い昼間の固定電話
高齢者を狙った詐欺は、ニュースで多く取り上げても、年々巧妙な手口で増えています。
親族を心配する気持ちに付けこまれた300万円
Nさん(当時90才)女性 独居
Nさんは月に1回、白髪染めに美容室に行くほどおしゃれが好きな女性です。
週2回のデイサービス(水・金)と週2回(月・木)の訪問介護があり、忙しく過ごしていました。
ヘルパーもデイサービスもない火曜日にオレオレ詐欺の電話に捕まったのです。
甥っ子さんを装った詐欺でした。
ここで一度電話は切れたそうです。それから少しして
近くの郵便局でお金をおろし、Nさんは指定の場所までいきました。
黒いスーツ姿で、見た目が少し怖い感じの若い男性から「Nさん?」と声を掛けられ、Nさんはその場で300万円を渡してしまいました。
渡してすぐに「詐欺だ」と気づいて声を出したそうですが、その男性はみつかりませんでした。
詐欺にあったばかりのNさんは、とても落ち込み、食事もできず、低ナトリウム血症で2週間入院。
Nさんの息子さんは、仕事でなかなか病院に行けません。
そこで、ケアマネジャーと相談をして、Nさんの訪問時間に病院に行くことが決めました。
Nさんは、とても落ち込んでいましたが、少しずつご飯も食べられるようになり、退院するときは詐欺師を怒れるくらい元気になったのです。
後日、息子さんから
- 病院行けない家族の代わりに母の心と、私たち家族の生活を守ってくださって感謝しています
という手紙が届きました。
未然に防げなかったことを悔やんでいたので、今後の在宅介護という職業の重要性について考えさせられるできことでした。
最近のコメント